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社会人は、なぜ読書をしろ(本を読め)と言われるのか

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社会人になると上司や先輩から「本を読みなさい」とアドバイスをもらうことが必ずあります。それはなぜか、ということを書きたいと思います。

成長に必要な経験値は疑似体験で補完できる

 
仕事がスキルアップしていく上で、もっとも効率の良い燃料は「経験値」です。
 
23歳で社会人になり、定年が60歳だとすると仕事をする期間はたった37年です。その中で自分がどれだけの経験が出来るか、というのがキャリアを分けるポイントになります。
 同じ時間の中で多くの経験値を得るためには、与えられたステージを周りよりも早くクリアし、次のステージに向かうことが必要です。
 
その差は才能によって生まれるのでしょうか? 答えのひとつはYesです。ゲームでもおなじですよね。反射神経や器用さによって、はじめてやるゲームでも人によってクリアスピードは違います。
 
では才能が無いものはあきらめるしかないのか? 答えはNoです。裏技を使いましょう。それは「疑似体験」です。ゲームで例えるなら、前もってYoutubeでゲーム実況を見ておくようなもの。そうすれば初見でやるより絶対クリアスピードは速いはずですよね。
 
例えば同期で入社したA君とB君がいます。二人は全く同じ仕事を1年したとします。そうすると、経験値は同じです。しかし、A君の先輩は自分が2年目以降に経験したことをたくさん話してくれていたのに対し、B君の先輩はなにも言ってくれませんでした。さて、2年目に仕事をうまくこなせるのはどちらでしょう?答えは自明ですね。
 

疑似体験を得る方法とその特性

 
疑似体験を得るにはには様々な方法があります、先輩や上司など自分の周りの人の話、研修やセミナー、テレビやネットからの情報、そして本です。
 

人生で出会える人は限りがある

先輩社員や上司からの疑似体験は、まさに自分がこれから自分が経験することとニアイコールですから効果は非常に高いです。しかし、その先輩や上司は最も優れている人なのでしょうか?人生で出会える人の数は限られています。出会った人次第であなたの経験値や未来は変わってしまいます。
 

コストパフォーマンス

自分のスキルを上げるため、または人間性を高めるため、研修やセミナーという方法があります。これは直接的なコミュニケーションが取れることがメリットです(質疑応答ができるなど)。ですが、受講料はそれなりの価格となっていまいます。新社会人の給与ではなかなか厳しいかもしれません。

信頼性

そういう意味で、テレビやネットは基本は無料で情報を受け取ることができます。ただし注意点としては、テレビはスポンサーによる広告出稿によるお金で製作されていますから、情報が補正されていることがあります。ネットの場合は匿名で発信されている情報は責任の所在が曖昧です。よって、これらについては補正されたり誤った情報もあふれており、正しい情報を見極める眼が必要になります。
 

本は作者との対話

比較してみると、本はタダではないものの、コスパが高いのがわかると思います。1冊分(1500円前後)の内容をセミナー受講しようと思ったら何万円もします。
情報の信頼性という点でもネットを含めたメディアに勝ります。本は作者がはっきりしています。間違ったことを書くとその人自身の信頼に関わりますから、ある程度チェックされていることが担保されます。
そして最大の強みは、「自分の人生で出会える可能性がない人の話が聞ける」ということです。有名人も、地位のある人にも、そしてすでに亡くなっている方にも。2000年以上の人類の経験にアクセスできます。本は作者と対話できる「どこでもドア」であり「タイムマシーン」なのです。
 

どんな本を読めば良いのか

小説は娯楽としては良いと思いますが、作者と対話するものではありません。また、自己啓発本は玉石混合なので見極めが難しいです。なので私は20代の頃はとにかく、作者のキャリアや実績がはっきりしている方の自伝を中心に読書をしていました。「事実は小説にまさる」のです。書いている人の顔が浮かぶのでイメージしやすく、読書が好きになる入り口としては良いと思います。
 

社会人が勉強すると差が広がる

以上から経験値を高める上で、本が有効であることがわかっていただけたかと思います。面倒だな、と避けてしまう人いますが、社会人になると勉強の有無が大きな差になります。学生時代は成績トップの人も最下位の人も同じ授業を受けていきます。しかし社会人は「授業に出ない(勉強の放棄)」という選択ができてしまいます。ここに甘えてしまうかどうかで、トップと最下位の差は圧倒的に開いていくのです。逆に言えば、大逆転も可能なのです。中卒で成功した経営者はたくさんいますが、社会人になってからの勉強をせずに成功した人はいないのではないでしょうか。
 

注意点

ここまで書いてきましたが、力として確実に定着するのは、やはり自身が得た「経験」です。「疑似体験」が先行しすぎてしまうと、結局何も身についていない状態になってしまいます。反面、「経験」だけにこだわると、視野が狭くなる恐れがあります。自分と同じ道を歩ませようとする親や上司はこのタイプです。食事と同じで偏りはいけません。バランスよく摂取することが大切です。
 

おまけ:なぜ職位が高い人は歴史が好きなのか

これは単純な理由です。新入社員の時は、会社の中で一番下っ端ですから、自分以外の人は全て学びを得る対象です。ですが、職位が上がっていくにつれて自分より立場が上の人は減ってきます。そうなると会社以外から学ぶしかないのです。また、仕事の経験も積んでいますから技術的面に対してはそれほど喉が渇いていません。立場上、経営論やリーダーシップの学びに飢えてきます。そうなると、自然と過去の大経営者や偉人との対話を求めるようになるのです。経営者層で歴史が好きな人が多いのはこういう理由なのです。