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アフターコロナ・ウィズコロナ時代のチームマネジメント

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2010年代後半より、世界はダイバーシティとワークライフバランスの拡大による働き方の変化がゆるやかに進行していたが、日本においてはまだ多くの労働者や企業はその変化はまだ遠い世界のものと捉えていたように思う。しかしそれは2020年の新型コロナウイルス感染拡大により一気に現実味を帯びることとなった。
 
感染予防のため、リモートワークやオンライン会議があたりまえになる中で、旧来の働き方が果たして正しかったのか、多くの人が疑問を持つこととなり、緊急事態宣言解除後も働き方を変える企業が増えている。
 
企業でチームマネジメントを担う立場にある者は、旧来からのマインドシフトが出来るかどうかの岐路に立たされている。業種により緊急性の大小はあるだろうが、少なくとも世界規模で起きている意識と環境の変化を認識し、従来型のマネジメント手法がいずれ有効ではなくなることを認知しなければ、アフターコロナ・ウィズコロナ時代で成果を出すことはできない。ここではチームマネジメントに焦点を絞り、そのパラダイムシフトについて考えていきたい。
 

コミュニケーションは報連相→雑相(雑談・相談)へ

 従来は、報告・連絡・相談を切り分け、それぞれをTPOにあわせたツール(対面、電話、書面、メール)で行っていた。しかし、SlackやMicrosoftTeamなどのITツールの利用が拡大している現在、ルートを明確にしたコミュニケーションよりも、膨大な情報をテーブルに並べて雑談、相談することで前に進んでいくコミュニケーションが主流になる。情報の整理力と拡散力が、問題解決のスピードを上げていくためには重要となる。

マネジメントは性悪説 → 性善説

チェックフローの構築、部下のアポへの上司同席、業務日報など、これらは性悪説でのマネジメント手法である。よく、「部下に仕事を任せても、目をつぶっているふりをして薄目を開けてみておけ」などとも言われるように、「信じ切らない」ことからスタートすることでリスクヘッジすることに軸を置いているのだ。
 
しかしプロジェクトやタスクが細分化し、さらにリモートで仕事を進めていくような時代では、性悪説のマネジメントは生産性を低下させる要因になる。
つまり、性悪説から性善説へシフトし、スピードを上げアウトプットを増やすことに軸足を移し、ミスやマイナスがあっても、差し引きでプラスを拡大する発想へ転換することが必要である。

 体制は トップダウン型→コラボレーション型

ビジネス構造がシンプルな時代は、天才的、または情報を多く持つリーダーがすべての舵を握ることで組織を良い方向に導くことが出来た。しかし社会も個人も多様化の道を突き進み、情報もクローズからオープン傾向にある現代では、トップの判断にすべてを委ねるのはエラーを起こしやすく、チャンスも見逃しやすい。上下、左右、外部、全てのコラボレーションによって意思決定が行われる体制への移行が必要であり、その構築と整理ができる者がマネジメントにおいて重宝されるはずだ。
 

制度・風土は 横並び型 → 違いを認めあう、活かす

 日本における終身雇用型の特徴としては、ゆりかごから墓場まで的な、新卒入社~定年までを前提としたキャリア設計である。初任給は低いが、一般的なライフイベントに沿って職位が上がり、賃金も上昇した。全員が緩やかな上昇曲線を描きながら定年へ着地することが、家族経営的観点からの幸せな就労環境であった。
 しかし、1990年代にはビジネスはグローバル化し成果主義への以降が始まった。横並びの平等な待遇・キャリアパスから、能力や成果による格差拡大が始まったのだ。それが2010年代になると、競争ではなく多様化(ダイバーシティ)のマインドが台頭し始める。「同質化は悪であり、ライフプラン、働き方、ひいては幸福というのは人それぞれである」ということだ。当然組織も、従業員のパフォーマンスを向上させるにあたり、個々の違いを認め、活かすことが必要になっている。平等→競争格差→多様化の変化プロセスを理解した上で、メンバーそれぞれの育った年代を考慮しつつ、チーム形成をする手腕が必要になるのだ。
 

仕事の進め方 ウォーターフォール型 → アジャイル型

                       

 
ウォーターフール型というのは完成までの工程を分業し、第一工程が終わったら第二行程へ、とバトンを受け渡していく型である。この進め方のメリットは責任が明確になることであるが、反面、どこかの工程で遅れが出ると全体へも影響し、アウトプット時期も常に遅延しやすい。また、修正が入る場合に前の工程まで再度バトンを戻す必要があり、個々の生産性効率に無駄が出やすい。
 
チームが少人数で同じ場所で密接にコミュニケートできる場合は問題は起きにくいが、リモート体制やプロジェクトの細分化が進む現代では、アジャイル型の方が生産性が高い。全体工程を低い完成度からスタートし何周も回しながら完成させていく手法だ。デメリットはメンバーが全工程に関わる状態が長くなることであるが、問題や改善点を発見・修正しやすく、変更点への対応もスムーズであることから、工程を大きく戻る必要が無く、アウトプットの正確性とスピードは向上するのだ。
 
 
チームマネージメントの在り方は、業種・会社において千差万別であるものの、上記のマインドシフトは遅かれ少なかれスタンダードとなるはずである。さらに世界は変化を続けている。アフターコロナ・ウィズコロナ時代がどのようなものになるかは誰もわからない。ただ、変化に対し常に自覚的であることが、マネジメント層にとって最重要な資質であることは間違いない。