MENU

仕事仲間との信頼関係を築くテクニック(ビジネス心理学)

f:id:koumech:20200729232338j:plain

 いわゆる「人たらし」または「モテる人」というのは、相手との信頼関係構築や交渉のテクニックを身に付けています。これは先天的なものだけではなく、学ぶことで身に付くのです。
 社会人の悩みは、仕事仲間(上司・部下)・取引先などの人間関係であることが多く、それはコミュニケーションのスキルが高まれば解決できることもあります。ここでは、心理学的なアプローチでこの問題解決のヒントを探ってみましょう。

ラポール

 ラポールとはラポール (rapport) とは臨床心理学の用語で、セラピストとクライアントとの間の心的状態を表す言葉ですが、現代では相互を信頼し合い、安心して自由に振る舞ったり感情の交流を行える関係が成立している状態を表す語として用いられるようになっています。
 
 社内コミュニケーションが上手な人や顧客の信頼を得る優秀なビジネスパーソンは、必ず相手の心を広げて、受け取れる準備、つまりラポールを形成してからビジネスについて話し始めます。ではどのようにラポールを形成し、活用するのでしょうか。

コミュニケーションのフレーム

コミュニケーション能力の高い人は
・ペーシング(距離を縮める)
・ラポール形成(信頼関係の構築)
・リーディング(目的への誘導)
この3ステップをセットで考え実行できています。
 
 逆にコミュニケーションが下手な人、営業でなかなか成果が出ない人というのは、いきなり「リーディング(目的への誘導)」から入ってしまうので上手くいかないのです。
 
 とはいっても、相手との信頼関係構築というのは途方もない時間がかかりそうな気がしますよね。学生時代の友人のように長い時間を過ごすことが必要と思うかもしれません。しかし、心理学的なテクニックを学び、駆使することで効率的に短時間で達成できます。

ペーシングとは

 ペーシングとは相手の話し方、状態などに、ペースを合わせることにより、類似性を相手に感じさせ共感力を高め、ラポール形成の土台を作るうえで大切なものです。いくつかテクニックがありますので紹介します。

ペーシングテクニック①「ミラーリング」

 ミラーリングとは、相手のしぐさや言動・行動などを鏡のようにして真似をすることにより、相手に好意や親近感を抱かせる心理テクニックです。
 
「類似性の法則」というものがあり、元々人は無意識的にも意識的にも自分と似ている人、または似たものに対して好意を抱きやすい傾向があります。
 
これを利用して、相手のボディ・ランゲージに合わせて腕や手の動きなど仕草を真似ることを「ミラーリング」といいます。
 
何を合わせるのか、それが以下の項目です。
 
【顔】表情、目、口角など
【顎】傾き、うなずきなど
【体】姿勢、ジェスチャーなど
【呼吸】呼吸のリズム
【雰囲気】:落ち着き、熱気、穏やかさなど
 
 常にすべてをミラーリングしてしまうと不自然になります。全体の雰囲気(落ち着き、熱気、穏やかさなど)をミラーリングしつつ、会話のポイントを見極めて表情や動作を合わせると効果的です。メラビアンの法則的にも、視覚から入る情報は重要です。

ペーシングテクニック②「マッチング」

 ミラーリングの変形でもありますが、主に聴覚における非言語情報を相手にあわせることです。
 
【話し方】:スピード、リズム、テンポなど
【声】:高さ、抑揚、強弱、声色など
 
 メラビアンの法則的にも、視覚の次に聴覚から入る情報は重要です。ここでもミラーリングを活用することで、相手に類似性を感じさせ、心を開きやすくさせることができます。

ペーシングテクニック③「バックトラッキング」

 簡単にいうと「オウム返し」です。相手に共感せず一方的に話をしても、気持ちは伝わりません。「自分の言うことに耳を傾け理解しようとしてくれている」と感じてもらうことで心を開いてくれやすくなります。
 
【例】
 
「私は若いころ苦労したんですよ」
×「へぇー」
〇「そうなんですね。ご苦労されたんですね」
 
「今のままのビジネスモデルでは将来的に厳しいと思っている」
×「そうですか」
〇「なるほど。厳しいと予測されているのですね」
 
など、基本的にはコピペして返すだけでOKです。なお、この返しのタイミングで仕草や表情のミラーリングも合わせると効果的です。

ペーシングテクニック④「価値観のペーシング」

 最終的に「このひとは私と同じ価値観を持っている」と共感も得ることが出来ればラポール形成の最終段階です。
 
 相手の主張が自分の意見と異なったとしても、いきなり反論するのではなく、一旦受け入れて共感した上で話を繋げていきましょう。
 
【例】
 
「昨日のニュース、本当に腹が立ったよ!」
×「そうですか?私は政府の立場からすれば妥当だと思いましたけど」
〇「本当ですよね。消費者の立場としては許せません!
一方で経済対策としては致しかたないのかもしれないですが・・・」
 
「この価格では高すぎる。子供のいる家庭では手が出ないよ!」
×「いえ、しかしこの商品は・・・」
〇「おっしゃる通りです!私も子供がおりますのでよくわかります。
  その辺りをきちんと考慮されておられるのはさすがでございます。
  しかし、その点を踏まえてもこの商品をお進めするのは理由がございます・・・」
 
 少し媚びた印象になってしまう恐れもありますが、相手との信頼関係は共感から生まれます。すこし大げさでも相手の意見に共感の姿勢を見せることで、ラポール形成に近づくことができます。
 
 これらのテクニックはすべて、相手によく注意を払い、相手の動きや言葉に反応する柔軟さがなければならず、コミュニケーションは武術ともいわれるゆえんです。

リーディング

 ラポールを形成出来たら、あとはコミュニケーションの目的に向かって誘導するだけです。
・契約
・企画提案
・協力要請
など
 
 ここで大切なことは「自信を持って誘導する」ということです。不安や恐れが見えてしまうと形成したラポールは台無しです。「私はあなたの理解者であり味方です。絶対に悪いようにはしません」という気持ちを前面に出し、安心感を与えることが大切です。

まとめ

 最初にも述べましたが、コミュニケーションの達人はこれらのテクニックを自然にできるまで習得しています。そしてこれは一部の天才だけの能力ではなく、誰でも学び、実践し、習得できる技術なのです。
 しかし、その根底には相手への興味と、目的に対しての強い意志が無ければいけません。ビジネスの場だけでなく、家族、友人、恋人、意中の異性、すべての関係性において有効ですので、ぜひ活用してください。